
Beryllium Transistor, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons
ジャニーじゃなくてジョニーじゃないの?
今回は、英語の一般的な名前の「Johnny」について掘り下げてみたいと思います。
昭和生まれとしては、アリスの「ジョニーの子守歌」や、ペドロ&カプリシャス の「ジョニーへの伝言」でおなじみの、ジョニーという名前。
しかし、ある人は、自らの名前を「ジャニー」と名乗っています。そして、創業した会社名に付け、カタカナで「ジャニー」と表記します。
あれっ、ジョニーじゃないの?
と、ソボクな疑問がわきます。
英語で綴ると、ジョニーもジャニーも同じ”Johnny”です。さて、この発音は、ジョニーとジャニーのどちらなのでしょうか。
この文章では、同じカタカナの書き方でも、なぜジョニーとジャニーに分かれるのかを考えてみたいと思います。
そしてその由来も紹介していきます。
それでは、まずは「Johnny」という名前の発音から始めましょう。
Johnnyの発音
「Johnny」は、アメリカ英語では [/ˈdʒɑni/] と発音されます。
赤で示した音は、「father」の「a」のような音です。なので、「Johnny」は、発音記号に従うと「ジャニー」というように発音されます。
昭和世代としては、小学校で習ったローマ字の知識から、Johnnyの綴りを「ジョニー」と読みたくなっちゃいます。
それに、この名前を持つ有名人は多く、日本で報道される際に、「ジョニー」と表記され、テレビ・ラジオなどのマスコミで話題になるときも、「ジョニー」と発音されます。
たとえば、フック船長のジョニー・デップ(Johnny Depp)がそうですね。
でも、アメリカ英語では「ジャニー」の方が、本来の発音に近いのです。
でも、かと言って、「ジャニー・デップ」になったら、イメージが悪すぎますね。
なぜJohnやJohnnyという名前が多いのか
「Johnny」という名前は、主に英語圏で使われる名前です。
この名前は「John」という名前の愛称形です。英語では、「John」は非常に一般的で、多くの人がこの名前を持っています。
たとえば、ビートルズのジョン・レノン(John Lennon)、「カントリー・ロード」("Country Road")で知られるジョン・デンバー(John Lennon)、『サタデー・ナイト・フィーバー』のジョン・トラボルタ(John Travolta)などです。ジョン・マクティアナン監督は『ダイ・ハード』や『プレデター』という映画でも知られています。
では、なぜJohnという名前が多いのでしょうか。
それはキリスト教と大きく関係し、洗礼者ヨハネ(John)に関連しているからです。
Johnつまり、ヨハネはキリスト教の伝説において非常に重要な人物で、イエス・キリストの登場を予言し、イエスの洗礼者として知られています。
多くのキリスト教の伝統において、ヨハネは聖人として崇敬され、彼の名前は多くの国や文化で一般的な名前として使用されています。
『新約聖書』の一部である『マタイによる福音書』や『ルカによる福音書』には、洗礼者ヨハネに関する記述が含まれており、その役割や影響が語られています。
15民衆はメシアを待ち望んでいて、ヨハネについて、もしかしたら彼がメシアではないかと、皆心の中で考えていた。 16そこで、ヨハネは皆に向かって言った。「わたしはあなたたちに水で洗礼を授けるが、わたしよりも優れた方が来られる。(「ルカによる福音書」3:15-16」)
このように、キリスト教の歴史や文化において、ヨハネの名前は特に洗礼者としての彼の役割から派生した名前として広く受け入れられています。
アメリカは17世紀に、イギリスから渡った敬虔なキリスト教徒のピューリタンによって開拓され、発展した国です。
意識してか無意識か、それから約400年を経てさえ、聖人由来の名前が多くなるのも納得できます。
会話練習
さて、会話練習をしてみましょう。
AさんとBさんの会社にJohnnyという名前の新人が入るとの情報が入ってきました。どのような噂がある人なのでしょうか。
A: "Hey, have you met Johnny? He's the new guy at the office." 「ねえ、ジョニーに会ったことある? 彼はオフィスの新入りなんだ。」
B: "Not yet, but I've heard good things about him. How do you pronounce his name?" 「まだ会ってないけど、彼のことは良いことを聞いたことあるよ。彼の名前はどう発音するの?」
解説
・the new guy(新しい人)*theによって、オフィスに入ってきた人が特定されています。話し手と聞き手が共に、新しい人が来ることを知っている状況なので、theがあります。話し手が"the new guy"とtheを付けている時点で、聞き手も「ああ、あの人ね」と、どのような人かが推察できるという状況です。
・pronounce(動詞:発音する)
・Have you met ...?→現在完了形(have+過去分詞)*現在完了形は、経験、継続、結果を表します。ここでは「経験」(「~したことがある」)という意味です。
・He's →He is の短縮形
・I've heard ...→主語と動詞の短縮形(I have=I've)と現在完了形(have+過去分詞)
・How do you~?→Howから始まる疑問文で、方法を聞いています。
穴埋め問題
さて、穴埋め問題に挑戦しましょう。
A: "Hey, ___ ___ ___ Johnny? He's the new guy at the office." 「ねえ、ジョニーに会ったことある? 彼はオフィスの新入りなんだ。」
B: "Not yet, but ___ ____ _____ ____ about him. How do you _____ his name?" 「まだ会ってないけど、彼のことは良いことを聞いたことあるよ。彼の名前はどう発音するの?」
こたえ
A: "Hey, have you met Johnny? He's the new guy at the office." 「ねえ、ジョニーに会ったことある? 彼はオフィスの新入りなんだ。」
B: "Not yet, but I've heard good things about him. How do you pronounce his name?" 「まだ会ってないけど、彼のことは良いことを聞いたことあるよ。彼の名前はどう発音するの?」
日本語から英語へ変換
A: 「ねえ、ジョニーに会ったことある? 彼はオフィスの新入りなんだ。」
B: 「まだ会ってないけど、彼のことは良いことを聞いたことあるよ。彼の名前はどう発音するの?」
A: "Hey, have you met Johnny? He's the new guy at the office." 「ねえ、ジョニーに会ったことある? 彼はオフィスの新入りなんだ。」
B: "Not yet, but I've heard good things about him. How do you pronounce his name?" 「まだ会ってないけど、彼のことは良いことを聞いたことあるよ。彼の名前はどう発音するの?」
まとめ
今日は、「John/Johnny」という名前の発音と由来について学びました。
この名前は、英語圏でその歴史からも一般的であり、親しみやすい名前です。
また、発音について、昭和世代になじみがあるジョニーよりも、意外にジャニーの方が、英語の発音に近いことも分かりました。
英語を話す際には、名前の発音や由来を知っておくことが、コミュニケーションを円滑に行うために役立つことがあります。
この記事がお役に立てたらうれしいです。
Bye for now!
参考文献

https://en.wikipedia.org/wiki/File:Piero,_battesimo_di_cristo_04.jpg